* 頼(らい)

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「ところで、明日、結局何時になったんだ?」 明日、生徒会の用事で博物館に行く事になっていたのだが、昨日の夜、都合がつくのが俺と柚流だけだと、柚流から連絡が入った。 ちなみに会長は俺、副会長が柚流。花芽は会計監査。 成績優秀な柚流に勝てず、常に次席の俺が、何故、会長かというと、単に柚流に押し付けられたから。 ま、柚流は参謀タイプだからな。 で、ならその後で飯でも食いに行こう、と話していたら、姉さんが聞いていて、自分も連れて行けと。 挙げ句、姉さんのアルバイト先の社長が孤児の柚流を引き取った叔父で、2人で話して付き添いという名目で一緒に行く事に決めていた。 何故、保護者同伴なんだ? まあ、姉さん、と言っても血の繋がりは無い。 俺の父親と親友だった姉さんの父親が、孤児になった赤ん坊の俺を引き取ったからな。 そのお陰で、柚流と仲良くなった。 6年前、両親を亡くした柚流に、クラスメイトはどう接して良いか分からなかったらしい。 同じような境遇の柚流に興味を持って、話し掛けたんだ。 柚流も孤児の先輩(?)の俺が普通なので、心を開いた様だ。 気が付けば親友になっていた。
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