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「10時に迎えに行くって」
「へ?」
「はづ兄が車出すんだって」
『はづ兄』とは柚流の叔父さんで、葉月(はづき)さん。
叔父さんといっても、10歳しか違わないんだけどな。
「ふうん?車とか、大人だねぇ。それも姉さん達で決めちゃったんだ?」
柚流は乗り物酔いしやすいから、自分からは車に乗りたがらない。
葉月さんの運転は割と大丈夫らしいけど。
「まあねー」
「なんだかなー?」
「ね。まぁ、明日はよろしく」
おう、と答えて、どんな服装にするか相談する。
「何だか複雑だねぇ」
俺達のやり取りを聞いて、花芽が呟く。
「柚流が好きな葉月さんと頼の好きなつぐみさんが仲良しで、2人の用事に付き添いするとか。傍目にはダブルデートだけど、組合せ、どうなんだろ?」
「「さあね」」
笑いながら言う花芽に、柚流とハモって答える。
「対象外なのはわかってるさ」
自嘲気味に言えば、僕もだよ、と柚流。
「あー、ごめんて。朝から暗くならないで?ね?」
花芽が首を傾げて謝ってきて、柚流と笑い合う。
「「花芽、可愛い」」
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