幼女時代

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◇ ということで私とレイナはめでたく七歳となりました。この国では七歳で魔法として扱える属性を調べる制度になっています。 属性の種類は様々あります。基本属性と呼ばれる火、水、雷、土、風、光、闇の七つがあり、この国にはその七つの属性それぞれを司る七大貴族がおり、政治や経済などで相当な権利が王国から与えられています。 私の家、ここシルフィード家は風を司る七大貴族です。 属性の種類は基本属性のほかに希少属性と呼ばれるものも存在しますが、ここでは割愛させて頂きます。 属性についての解説はこのくらいにしておきましょう。次は何故この話をしたのかについて説明しましょう。それは―― 「いいか? 今からこ二人にはこの水晶に触れて属性の測定を行う。触れてしまえば水晶に二人の属性が表示され、それを見て終わりだ」 たった今から測定をするためです。 私がいるのはシルフィード家当主の部屋。つまりお父様が仕事をなさる際に使用される部屋です。そして今現在、この部屋にいるのは両親とお兄様に妹のレイナと私。 属性の測定・・・・・・。一体どうすべきでしょうか? 全ての属性・・・・・・というのは残念ながら好ましくないです。髪様(誤字ではない)から全属性を貰ったことにはなっています。ですが全てを使う機会というのは無いに等しいと予想します。 なぜなら戦いにおいて、選択肢を多くし過ぎるといたずらに迷いを生むことになります。自身が瞬時に使い分けの出来るほど器用だとは思えないのです。 ならばどうするのか。使う属性をあらかじめ絞ってしまえば良いのです。 つまり器用貧乏を目指すのではなく、多少融通のきかないことがあるけれど一点集中型、つまり専門家(スペシャリスト)を目指すということ。その方が一瞬を争う場面では、少なくとも行動を選ぶことについて不利にはならないでしょうから。
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