幼女時代

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「すごいぞユリシア! こんなにすごい妹をもてて、俺は嬉しいぞ! 本当にすごい!」 すごいを連呼する安っぽい感じの歓喜をしているのはお兄様です。最近シスコン気味で困っているんですよね。シスコン気味なのは私だけではなくレイナに対してもですが・・・・・・。 最近レイナと遊んでいた執事の一人がお兄様にこっぴどく叱られたそうです。お兄様は俺の妹を嫌らしい目で見ていた、とかいうよくわからないことを言っていました。 レイナがそこに来て、私が事情を説明し、状況を理解したレイナがお兄様を止めに行ったのですが、お兄様がお前のためとか色々ほざいたところでレイナが思い切り張り倒しました。そして一言、死ね。といった風にレイナがお兄様のことを嫌いになってしまったのでした。 まあ私もあまり好きではないのですが。 「では次にレイナ。ユリシア、下がりなさい」 あら、お父様がいつの間にか正気に戻っていました。私は返事をしてお父様に水晶を返却しつつ後ろに下がります。 レイナと入れ替わりその後ろ姿を眺める。レイナは・・・・・・大丈夫みたいです。緊張や不安などが微塵も感じられません。むしろ楽しんでいるようですね。 「よっしゃー! シアがすごかったんだ、アタシもやるぜ!!」 このメチャクチャ男っぽい口調はレイナのです。少々乱暴に感じますがこれがレイナだから、としか言いようがない。 「オラァァッ!」 レイナが水晶を受けとり割れてしまうのではないかと思ってしまうほどの力で握り締めています。レイナらしさが遺憾なく出ていて、お父様は水晶が壊れやしないか(握力的に)とおどおどしているようで。 握り潰されかけている水晶に光が浮かび上がります。ええと・・・・・・赤、青、黄、黄緑、茶、白、黒ですね・・・・・・・・・・・・・・・・・・あら? 「基本属性・・・・・・すべてだと!?」 あんびりーばぼー。
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