幼女時代

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◇ 私とレイナが七歳となって数ヶ月が経過しました。 私は自室であることの準備をしている最中です。あること、その内容はまだ明かさないでおきましょう。 そういえば最近、私たちの家と同じ七大貴族である闇を司る貴族であるダーク家の幼なじみの子が死んだと知らされました。 公式な発表は病死ですが私たちが探ってみたところ、発表内容と事実は異なることが分かりました。 ちなみに私たちというのは私を含めて三人の人物です。構成は私とメイド長、私とレイナの専属メイドの三人。 専属メイドの子は私たちと同い年で、飢えが原因で道端で倒れていました。そこに私とレイナが通りがかり、レイナの気まぐれにより専属メイドとしてシルフィード家に仕えることになったのでした。 コンコンコン。 「どうぞ」 「失礼します。ユリシア様、たった今レイナ様とエリア様より準備が整ったとの通達がございました」 噂をすれば影が差すとはまさにこのことでしょうね。 ノックをして私の部屋に入ってきて報告を行ったのが、先ほど話題にしていた専属メイドのフーリンです。 この子の声はまるで風鈴のように透き通るような声をしています。初めて聞いたとき風鈴、と思わず声に出していたようで。それを聞いたレイナが名前にしてしまったのです。 「ええ、こちらの準備も完了したところです。今すぐ参りましょう」 私たちが何の準備をしていたのか。それは私命名、『ドキドキ、主人公キャラ生存大作戦!』の準備です。 ――冗談ですからね? コホン。失礼しました。 話を戻しましょう。計画の内容は死んだことにされたという王道主人公キャラの一種である幼なじみを、本当に死んでしまわないように様々な活動をする、というものです。 私の担当は対象と直に接触し、色々な対策を講じる担当です。
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