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◇
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
気づけば、真っ白な空間で私は寝ていました。体を起こす力が出てこないので、かろうじて動く首をなんとか動かして周りを見渡します。
右を見ても左を見ても、上さえも真っ白です。それ以外にありません。
「ここは、一体・・・・・・」
ポツリと呟いていました。しかしここまで白いと――
「汚したくなるものですね」
「えっ!?」
「落書きをする方と同じですよ。先ほどまで幾度となく殺されかけたのです、この辺りでストレスを発散するというのも手です」
「いやいや、落書きとかしなくていいから。ていうかこっち向こう? さっきから君の後ろに立っているからね?」
「なので歌います」
「どういうこと!? 一体何があってそんな結論に至ったの!?」
選曲はどうしましょう、いや考えるまでもなくバラードですね。後悔というのがたっっっぷりと含まれた歌詞の歌以外にありません。
私はスッと立ち上がりました。
◇
歌いましたよ?
三曲は歌いましたね。後ろにいる何か変な存在は気まずそうにしていますね。
歌っている最中、ようやく状況の整理が出来ました。
私は死んだ。
これは紛れもない事実のようです。最後には私はどんな姿になっていたのでしょうか? 少し見たい気もしますし見たくない気もします。随分と矛盾していますね。
さて、変ですね? さっきまでなにがなんでも生きたいとは思わなかったにも関わらず、今は後悔でいっぱいです。
四曲目を歌い始めます。
後ろの気色悪い存在は茫然自失としてますね。私に話しかけようとしていたみたいですし。
滑稽です、でも何故か不快です。
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