死亡、そして転生

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そして今は自宅に向かっている途中です。無事着けるかどうかは運次第――と思いましたが運でさえも私を殺そうとしていましたね。孤立無援というのはなかなかに厳しいものですね。 つまり自分次第、自分だけが頼りです。助けを呼ぶことも可能ではあるのですが、無関係な方を巻き添えにしてはいけない。今でこそ私だけを狙ってきてはいますが、なりふり構わず、もしくはわざと巻き込むようにして殺そうとされかねないというのが考慮されます。 それに助けを呼ぶことに気をとられデッドエンド。笑えません。 「家が、遠くに感じますね・・・・・・!」 思わず口から溢れました。愚痴や文句はあまり言わないようにしていたのですが・・・・・・ッ!? 決して広くはない道路で横に転がりました。次の瞬間、私がいた位置から進行する予定だったところに植木鉢が。 しかも大量に。 「チッ……!」 前転をするように回避し素早く体勢を立て直します。一波目を乗り越えたとしても次が来ないなんて保証はどこにもありません。むしろ畳みかけるように次が来ても不思議はありません。ギリギリで躱そうとして失敗、からの大けがなどというものは目も当てられない。 私は走り続けました。もう体力も精神力も正直限界と言わざるを得ません。一体どれだけの時間が経過したのか全く把握できませんし、それが余計に焦燥感を抱かせます。まだまだ修行不足ということですかね。 走り続けたために酸欠状態。それに度重なる回避等でできた擦り傷切り傷、これは打撲もしているでしょうね。痛みなんかで足を止めるわけにはいきません。最早ポンコツになってしまった体に鞭を打ち、ひたすらに前へ、前へと。 是が非でも生きたいわけではありません、ですが死にたくはありません。生きるか死ぬかと聞かれれば生きるを選択します。 ドォンッ!! 突然、道路が爆発しました。一体何が!? と、思ったのがいけなかったのでしょう。避けるのが不可能なタイミングでアスファルトと土、そして水が私に襲いかかりました。水道管でも破裂したと? このタイミングで? なんていうのは今更ですね。下から来ないと思い込んでたのがいけなかったのでしょう。 なんとか腕をクロスさせて盾とし、バックステップをしてすぐに来るであろう衝撃に備えます。この行為にどれほどの効果があるかは定かではありませんが、何もしないよりはマシでしょう。 そこへ一つの影が私と凶器と化したアスファルトの間に割り込んできました。まさか……助けが? ――という展開だとしたら、どんなに良かったのでしょうか。 体の至るところに破片が突き刺さります、殴打します。凄まじい衝撃を受け再びブロック塀に体を打ち付けます。 口から飛び出す赤く、鉄臭い液体。全く力が入らず崩れ落ちる自身が、まるで自分の体ではないような感覚に陥ります。 ――もう、限界ですね。 悔いはあるかと問われればあると答えます。怒りを覚えるかと言われれば当然と答えます。 ああ。人は死ぬとき、こうして死んでしまうのですね。 塀に頭を打ち付けてしまったのか、薄れゆく意識。最後に映った景色には、居眠り運転のトラックでした。 その後、一人の女子高生の遺体が発見された。
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