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結果は予想通りだった。
今までの統計から算出し得る数値よりも、二割近く増えているのだ。
今回は身内による事件で、尚且つ目撃者がいたから露見したが、この失踪人の何人かは、この事件の被害者である可能性は高いだろう。
だからと言って、それを調べる術はないが……。
そこに、黒川から連絡が入る。何か進展があったのかと若干の期待を持って、二人は再び彼のラボに向かった。
「この携帯には、特殊な信号が送られてきてますね。それが何なのかは残念ながら……。ただ、携帯を開くだけで画面の明滅として、信号が伝えられるようになってます。発信源も、登録されていない端末からのものだという事しか分かりませんでした。それ以上追おうとすると、妨害されてしまうんです」
黒川は一気にそこまで説明すると、「次に」と言葉を続ける。
「研究所のものも含めて、これまでの死体からは一切の遺伝子情報が失われています。焼死体であっても、遺伝子まで焼失する事はまず考えられません。で、私の考えなのですが……」
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