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広場に着くと、グラッセは時計塔のもとに座りこむ少女を見つける。
(あの少女は…?)
俯いて長い金髪がかかっており、どんな表情をしているかわからない。
もし眠っていたら。こんなに若くして夢魔に囚われてしまっていたら――。
今はなき王女への償いの意識が脚を動かす。自分に成せることを成すために、歩みよった。
「何かあったのか?」
少女の傍に片膝をついて、怖がらせないようにそっと声をかける。
ピクッと丸い肩が反応して少女がおずおずと顔を上げると、グラッセの目が驚愕に開かれ、息をのむ。
(姫様……?!)
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