第1章
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第1章
月の光を儚く反射する金色の鐘が尊大に鳴り、満ちた時を告げる。 灯りも消え、普段ならしんとした静寂に包まれているはずの真夜中の広場。 その中央にある時計塔のもとに、瞳を閉じた少女が一人、佇んでいた。 やわらかな唇が、かすかに動く。まるで愛するひとの左耳にそっと囁くように。 ――ずっと、わすれなかったよ。 鐘が鳴り響く中、白い可憐な花が、風に揺れた。
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