プロローグ 第零章 「変革した世界」

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「ダーククルム家は雨ととても関わりの深い一族です……どうしてだか、分かりますか」  剣戟を全て避け切った黒衣に対してそう尋ねた。 「暗殺を請け負う一族だからな……それに暗殺されるときは雨天が多い」 「血の雨を降らせる一族だからですよ」  ルカはそう言って刀を納刀した。 「抜刀術」  それを見て黒衣も抜刀術の姿勢を示す。 ◇◇◇◇◇ 黒衣(アルト・アディンセル) END 「さすがは特別顧問……数年前にトップの歴代トップの成績で卒業しただけのことはありますね」 「ふ~ん」  エヴァは青年の言葉を興味なそうに聞いていた。 「それにしてもあの攻撃を全て見切っている彼もまた異常」 「黒衣に勝てる人間なんていないよ」  エヴァはそう断言する。エヴァは黒衣の強さをよく知っている。ここ数か月とはいえ非常識な世界に身を置き続きたことでエヴァの価値観は大きく変化していた。 「黒衣はまだ一割も力を使ってないよ。それい彼の本分は開発……AODをプログラミングする技術に長けているんだよ」  けど、彼は守護者でありながら魔術師という異常な組み合わせの世界に生きている。  よく言えば天才。  悪く言えば化け物だ。 「それにしても不思議なものですね……彼に関するデータが一切ないなんて。どこのギルドにも所属していないようですし」  ◇◇◇◇◇ エヴァンジェリン・S・アルマーク END 「抜刀術ねぇ……誰に教わった技なんだ?」 「お兄様に教わった技です」
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