エピローグ

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藤乃が意味深な笑顔だった。 「もしや…お師匠様。私が、死神に任命されたのって」 「私の差し金もあるけれど、閻魔も元々そうするつもりだったっぽいわね」 否定しないんだ。 ちゃっかり差し金しているのは、最早想定内ですらあるが―――自分の上司が、そう考えていたことに、篁一はちょっと驚きだった。 「ま、篁一ちゃんは働き者だったから、ご褒美の意味もあると思うし。他にも諸々考えがあったみたいね。結果が良いから、私は興味無いけど」 「お師匠様、最初からコレ狙ってたんだ…」 「当たり前よ。私は徹底的に最後はハッピーエンドを狙ってたわ」 葵は、そう言って、藤乃と篁一の杯を、酒で満たす。 ふと、何かに気づいたかのように、藤乃が顔を上げた。 「そういえば、お師匠様…」 「何かしら藤乃ちゃん」 「幸福会の件は」 ああ、そう、それがあった。 あの後、藤乃は死に、高村篁一も地獄に戻った。 しかし、あの後、幸福会との云々は、果たしてどうなったのか―――。 「ああ、潰しておいたわ。木っ端微塵に」 「…」 「やるなら徹底的に、が私のモットーよ。篁一ちゃん気づいてないかしら?あの直後、大量に死人が地獄に流れ着いてなかったかしら?」 ―――そういうコトも、確かにあったような気がする。 しかし、一体、どうなってしまったのやら。 深く聞くのは、控えておいた方が吉な気がした。
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