プロローグ

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天気はあいにくの曇り空で小雨も降って来た。 …コーナーで停まりました、高山先輩がフロントを見ています… 各所で状況を確認していた後輩から、トランシーバで報告が入った。 一体何が起きているのか、最後の報告が入ってから数分が過ぎた。 トランシーバを見つめながら次の報告を待つが、なかなか来ない (もう走らない) そんな考えが浮かんで涙が出そうになったが、堪えて待った。 その時 …ステアリングがダメみたいです… 声に力がなかった。 ステアリングの問題は最後まで解決しなかった。 だとすれば、ハンドルが効かない 上を向いたが、抑えていた物が込み上げて来た。 「諦めずに、ここまで来た、それで十分じゃないか」 そう自分に言い聞かせた。
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