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良く晴れた朝
自転車で駅へ向かい、次は電車に乗り、高校の最寄り駅で降り、改札を出て歩き始めた。
いつもと変わらない朝、途中で同じクラスの宮崎にあった。
「宮崎、おはよう」
「おう、桐原おはよう」
「昨日の映画観たか?」
「観た、観た、最後は感動したな」
「そう、そう、あと主演女優のえ~と、名前なんだっけ?」
「よく観るけど、名前は忘れた」
青々とした街路樹の横を歩いて、学校に着き階段を登り、教室に入ると
「おす」
同じ3年の高山が、座った椅子を斜めにして、雑誌を読みながら挨拶して来た。
「おす、珍しく早いな」
「たまにはな」
「佐々木と葉山は?」
「葉山は便所、佐々木はまだ来てないよ」
宮崎が鞄を置いてこっちへ来た。
「また、遅刻じゃないか」
「だな~」
高山と桐原でハモった。
「あっ!おはよう」
そこに葉山が戻って来た。
これで、このクラスの3年生は、佐々木以外揃った。
この高校は特殊で、クラスが専攻別に別れていて、クラス内に1、2、3年生が一緒に居る状況で勉強をしている。
因みに、このクラスは自動車専攻で自動車工学と言うのを勉強している。
「お~い、席座れ」
担任の佐山先生だ。
「出席取るぞ」
そして、最初の一人を呼ぶ前に
「佐々木は?」
宮崎が両手の手のひらを見せて、ニヤニヤ笑う
「あいつぁまた遅刻か!」
と言っているが、あまり気にしている様子はない
いつも通りと言う訳だ。
その後、出席を取り終わると、一人教室に入って来た。
「よぅ、おはよう」
副担任の檜野(ひの)先生だ。
「なんで、檜野先生が居るんですか?」
2年の一人がすかさず聞いた、おそらく皆同じ気持ちだろう。
檜野先生が来る時はだいたい問題を起こした時だ
「今日は大事な話がある、実は今度」
「おい!佐々木!」
全員教室に入って来た佐々木に注目し、檜野先生が叫びながら教室の後ろへ歩いて行く。
「げっ檜野」
「げっ檜野、じゃね~んだよ、ちょっと来い」
「イタ~!」
檜野先生は佐々木の耳を摘まむと、そのまま教室を出て行った。
「おめ~は、また遅刻か、しかもなんだ、堂々と入って来やがって、もっと申し訳なさそうに入って来るとかあるだろうが、まったくおめ~は…
声が聞こえなくなり、全員で呆然と見送ると
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