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「で、大事な話なんだが」
「先生!どんなモチベーションで聞けば良いんですか?」
まったくその通りで
「そんなのは聞いてから考えればいいんだよ」
雑!
「で、大事な話が何かと言うと」
1枚のポスターを出し
「これに出ようと思う」
[エコノパワーレース]
と書かれている。
「それはどんなレースですか?」
宮崎が質問した。
「燃費を競うレースだ」
「どこでやるんですか?」
「"ツインリンクもてぎ"」
「クルマは?」
「これから作る」
「出場する理由は?」
「楽しそうだからだ」
高山の方を見ると、いつの間にか雑誌を読んでるし
葉山の方は、机にうつ伏せになってるし
「他に質問はないか?」
色々聞きたい事はありますが
その時、佐々木が帰って来て、隣に座った。
どうやら説教は終わった様だ。
「で、大事な話てっ?」
あの状況で話を聞いていた事に感心した。
「あれに出るんだって」
ポスターを指差した。
「エコノパワーレース?てっどんなレース?」
「燃費を競うレースだって」
「場所は?」
「"ツインリンクもてぎ"だって」
「クルマは?」
「これから作る」
「何で出るんだ?」
「楽しそうだから」
「お前が言ったの?」
「俺じゃねーよ」
「ん~」
佐々木が腕を組んで少し考え、手を上げた。
「先生!」
「なんだ?」
「やりましょう!」
「え~!!!」
佐々木と高山以外の全員がハモった。
このクラス始まって以来、一番団結したと言っていいだろう。
こうして長い夏が始まった。
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