行く奴はいるか?

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教卓に立ち、レースのレギュレーションの書いてある用紙に目を通した。 「え~と、まずはと」 なぜ俺が、こんな事になっているかと言うと [5分前] 『じゃあ、とりあえずリーダー決めろ』 『そうだな、3年がいいな』 宮崎がすかさず 『佐々木やれよ』 その通りだ 『俺、リーダーとかそう言うの無理』 『お前が「やりましょう、!」とか言うからだろ』 『え~じゃあ葉山は?』 『えっ!いや、俺も無理だよ、きっ桐原は?』 『無理、宮崎は?』 『もう一人居るだろ』 四人の視線が、雑誌を読んでいる高山に集まる。 『パ~ス』 そこで宮崎が 『じゃあくじ引きで』 『それで行こう』 そして今に至り… 「え~と、3輪以上で、ブレーキが2系統以上で、バックミラーも必要で…」 途中で読むのをやめた 「あと、エンジンはホンダの4サイクル」 「佐山先生質問」 宮崎だ。 「なんだ?」 「予算はどのくらいですか?」 「今年初参加と言う事もあって、学校から出る費用から、当日のエントリー費や交通費等を引いて」 「5、6万くらいかな」 ガタン!! さっきまで椅子をギシギシとさせていた2年生も驚いている様だ。 「あの~車体はおろかエンジンすら無いんですが」 珍しく葉山が意見していた。 パンフレットの写真を見ると、どこの学校もカーボンのボディーを使ったりと何十万も掛かってそうだ 「とりあえず、何かやろうぜ」 相変わらず雑誌を読みながら高山が言うと 「そうだな」 宮崎もそれに続く 前向きと言うか、あまり考えていないのか 「じゃあ、とりあえずエンジンかな」 「何かあてがある人いるか?」 予想通りあてがあるはずも無く 「使えて要らないエンジンなんか、ないよな」 しかも、可能であれば無料で 「壊れてても直せばいいだろ」 佐山先生だ 「そしたら壊れたエンジンならどう?」 佐々木だ 「スクラップになるやつとか、どっか探せばあるんじゃないか」 「確かに、使えるやつを探すよりは現実的だな」 「モータースポーツ関係の施設とかならあるかもだな」 なんだかんだで皆乗り気なのは驚きだ。 「分かったじゃあそれで行こう」 そう言って佐山先生の方を向き 「モータースポーツ関係の施設の資料ありますか?」 「あるぞ、ちょっと待ってろ」 そう言うと教室から出て行った。
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