行く奴はいるか?

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数分後 施設一覧やパンフレットが入ったファイルを、5冊ほど持って来てくれた。 「関係無いのも混じってるけど、上手く探してくれ」 1冊開いて中を見ると、新車のカタログや専門学校の案内等々、確かに関係ないのが混じっていた。 「じゃあ、3年で1冊、1、2年が各2冊を見てありそうな場所に片っ端から電話してくぞ」 「面倒臭!」 当然の反応だ。 ダルそうな雰囲気が教室を埋めつくしてたが 「でもエンジンないと作れないし、もしスクラップのエンジンが掛かったら楽しそうじゃん」 佐々木だ 「まさか佐々木、やりましょうて言ったのそれが理由か?」 「それもあるし、3年最後の思い出作りにもなるかなってな、思ったりもした訳よ」 佐々木がそう話ていると 『あの~こんにちは、ちょっと聞きたい事があるんですが…』 2年生の内藤だ。 『…すいませんありがとうございました』 電話を終え内藤が1年を見ると 「お前らも電話しろや!」 そう言われ1年が慌てファイルをめくり始めた。 気が付くと、高山も雑誌からファイルに持ち変えて中を見ていた。 以前からまとまりは無いが、仲が悪い訳ではなかった。 クラス対抗キックベースで優勝したり、文化祭も文句いいながらもしっかりやっていたし 柄は悪いが、悪い奴は一人も居なかった。 そして皆で色々な場所に電話をして、エンジンを探し続けた。 しかし、エンジンを譲ってくれるところは見つからず。 「もう買うしかないな」 と諦めかけた時に 「ありました!」 1年のグループが元気よく叫ぶと 「どこ?、どこ?」 と集まり 「え~と、山梨県のモトクロスのコースです」 行けない距離じゃない 「ずっと野晒しのなっていたやつでよければ、取りに来てくれればタダでいいそうです」 「お~タダ!」 教室の中は一気に明るい雰囲気になり 「佐山先生、すぐ取りに行きましょう」 「ん~、学校の許可を取ったり保護者の許可とかもあるしな、明日から土日で休みだしな早くても月曜日だな」 それを聞いて、一気に暗い雰囲気になり始めた時 「それに明日は予定があるしな、ね~檜野先生」 「あっそうでした」 檜野先生は意図を理解している様だ。 「実は明日、檜野先生と山梨までモトクロスを見に行く予定があるんだけど」 「誰か一緒に行く奴はいるか?」
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