【第壱話 ある初夏の噂。少年は双子になったんだって…】

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―ガラガラ 「こんにちわ~・・・。誰かいませんかぁ?」 ガラス張りのドアをスライドさせリリアは中に呼びかけた。 だが何も返事が返ってこない。 (おっかしいなぁ・・・) リリアが首をかしげ考えると天鳳がリリアの肩にとまった。 <リリア・・・ここから出ましょう。何か嫌な予感がするわ> 小声でリリアにだけ聞こえる声でいう天鳳は真剣そのものだった。 「嫌な・・・予感・・・?」 『――リリア!!!』 水精姫の声に驚いて振り返ると目の前に鎌をもった男達がいた。 鎌はリリアの顔すれすれで止まっている。 「何!?何なの!!!???」 『間に合ったか・・・。よかったわぃ』 どうやら風精姫が風を操って風のシールドを作ったようだ。 「風精姫さん、ありがとう!!」 『これくらいお礼を言わなくてもよいぞ。それにしても何なんじゃ、こやつらは』 『リリアを傷つけるのなら、水で押し流して差し上げましょうか・・・』 黒い笑みを浮かべる二人に驚きながらリリアは冷静に考える。 (目が赤い・・・?誰かに操られているのかも!傀儡の魔法だったら・・・拘束の魔法が効くよね!) 「二人とも!誰かに操られているみたいだから拘束の魔法で何とかなるかも!!」 (いっておかないと本当に水で流しちゃいそうだからなぁ・・・) リリアにいわれた二人は大きくうなずいた。 『そうじゃの。ではリリアが魔法を唱える間守っておくか』 『そうね』 そう言うと二人は精霊を呼んだ。 『水精たち。リリアを守り抜くのよ』 『風精たちもじゃ。今だけは水精と手を組むのじゃ』 二人の命令を聞き水精と風精は水と風で壁を作った。 「ありがとう!」 リリアはおれいをいうと目を閉じた。 「リスペクト・ストロングザニング!!!」 リリアがそういうと男たちは動かなくなった。 (念の為に強化も付け足したけど大丈夫だったみたいだね・・・。もし術者がリリアより強かったら大変だった・・・)
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