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―ガラガラ
「こんにちわ~・・・。誰かいませんかぁ?」
ガラス張りのドアをスライドさせリリアは中に呼びかけた。
だが何も返事が返ってこない。
(おっかしいなぁ・・・)
リリアが首をかしげ考えると天鳳がリリアの肩にとまった。
<リリア・・・ここから出ましょう。何か嫌な予感がするわ>
小声でリリアにだけ聞こえる声でいう天鳳は真剣そのものだった。
「嫌な・・・予感・・・?」
『――リリア!!!』
水精姫の声に驚いて振り返ると目の前に鎌をもった男達がいた。
鎌はリリアの顔すれすれで止まっている。
「何!?何なの!!!???」
『間に合ったか・・・。よかったわぃ』
どうやら風精姫が風を操って風のシールドを作ったようだ。
「風精姫さん、ありがとう!!」
『これくらいお礼を言わなくてもよいぞ。それにしても何なんじゃ、こやつらは』
『リリアを傷つけるのなら、水で押し流して差し上げましょうか・・・』
黒い笑みを浮かべる二人に驚きながらリリアは冷静に考える。
(目が赤い・・・?誰かに操られているのかも!傀儡の魔法だったら・・・拘束の魔法が効くよね!)
「二人とも!誰かに操られているみたいだから拘束の魔法で何とかなるかも!!」
(いっておかないと本当に水で流しちゃいそうだからなぁ・・・)
リリアにいわれた二人は大きくうなずいた。
『そうじゃの。ではリリアが魔法を唱える間守っておくか』
『そうね』
そう言うと二人は精霊を呼んだ。
『水精たち。リリアを守り抜くのよ』
『風精たちもじゃ。今だけは水精と手を組むのじゃ』
二人の命令を聞き水精と風精は水と風で壁を作った。
「ありがとう!」
リリアはおれいをいうと目を閉じた。
「リスペクト・ストロングザニング!!!」
リリアがそういうと男たちは動かなくなった。
(念の為に強化も付け足したけど大丈夫だったみたいだね・・・。もし術者がリリアより強かったら大変だった・・・)
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