【第壱話 ある初夏の噂。少年は双子になったんだって…】

6/9
前へ
/11ページ
次へ
「って!こんなところで時間くってちゃダメだよっ。はやくいかないと!!」 もみくちゃにされながらリリアは現実にもどった。 『そうじゃった!すっかり忘れておったわぃ』 (わすれちゃダメでしょ~!) 本当にわすれていたかのようにいった風精姫に心の中でつっこみを入れる。 (何でみんなは忘れっぽいのかなぁ・・・。これから先が心配だよ・・・) 理由が自分自身だと気づかないリリアはため息をついた。 <じゃあリリア。いくの?> 「うん、そうだね!はやく迎えにいってあげないと!!」 ――リリアの向かう道がどれだけ残酷なのか。このときはまだ誰も知らなかった・・・。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加