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颯となかなか友達になれずにふてくされていた私は、モヤっとしたままゲームをプレイしていた
このゲームはWiiに指図して誰かと誰かをくっつける事はできない
あくまでもプレイヤーは管理人として彼らの生活を助けるだけなのだ
「あー、まだ友達にならない!友達にならなきゃ恋人も結婚もできないじゃないか」
DSをそばに置いて、ゲームの音をBGMにしながら私は目を閉じた
颯とどうしてもラブラブしたい
颯は月鬼、異世界の住人である
私には、少しだけ霊感があるが、殆ど彼の姿は見えず、声しか聞こえなかった
だからこそ、ゲーム内だけでも確かに見える彼を感じたかった
颯が恋しい
そう思いながら
どうやらいつの間にか寝てしまったらしい
『起きてください』
…ん?私は寝てたのだろうか
聞き慣れない声に、眉間に皺を寄せながら、ゆっくりと目を開けた
「……え?」
目を開けて飛び込んできたのは、眩しい薄いオレンジ色の空だった
地面も同じ色で、空間が無限に広がっていて壁がない
ここはどこだ?
まだ夢の中なのだろうか?
しかし、リアルな感触がある
『ようこそ。トモダチコレクションへ』
夢だ
きっとゲームのやり過ぎだろう
目を覚ませ自分
『新たに住人として登録されました。藤原友絵さんを歓迎します』
「はいはい。今、起きます。なんなのこの夢…」
『夢ではありません。ここはトモダチコレクションの世界です』
「…意味わからない。早く目を覚ますんだ、自分」
『私はナビを勤めるMAKIと言います。MAKIと呼んでください。快適な生活を過ごしてもらう為に案内致します』
「……」
『まず、目の前の扉を開けてください』
「扉?」
突然、目の前に扉が現れた
なんて夢なんだ
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