空の記憶

家族

郁哉sido

僕はピアノが好きだ。
葎哉君と翼裟はもっと好きだ。

心臓弱くて毎日の薬代に病院の診察代とか病気の事に関して迷惑をかけてきた。僕より一時間早く生まれた兄翼裟は元気に生まれてきた。
兄の翼裟はもともと感情の起伏が全くと言ってもいいほどない人なのだ。
対称的に僕は感情を表情に出すことが多い。だからなのか翼裟はクラスなどでも浮いている事が多い。
僕はどちらかというと人気者と呼ばれる部類に分けられる。

翼裟は知らないだろう。
名前の意味を。

翼裟と僕と葎哉君が共通点のない名前になったのは理由がある。

翼裟の名前は弟の僕が心臓病であるために翼裟の事をほったらかしになってしまうことを考えた両親がそれでも大きく羽ばたいていけるような人間になってほしい。
という願いを込めてつけられた名前だった。

僕の名前は永久の時間を大切な人達と過ごす心の清らかな人に育つようにという願いを込めてつけられた名前だった。

葎哉君は自分を律して他の人達にも平等な愛を与えられる心の優しい人間になってほしいという願いを込めてつけられた名前だったそうだ。

僕たち三人のなまえにも一つ一つの意味がある。