プロローグ

3/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
俺の腕に全体重を預けている女の子を起こし、しゃんと立たせる。 「ついてこいよ。ちょっと行った先にコンビニがあるから。そこでなにか買ったらいいよ」 「コンビニ? 二人組が二組?」 「違う! コンビ2じゃねぇ。コンビニだ」 「コンクリートビキニ!」 「身に付けられるか! そんなもん! 大体それならコンビキだ。てか、まさかコンビニ知らないのか?」 「うん。アタシの住んでた所にはそんなのなかったよ」 コンビニがない所って、離島とかか? でも、コンビニの存在自体は知ってるだろ。 「まあいい。実際に見てみればいい。こっちだ」 女の子を手招きして、一方通行の路地を数十メートル進んで、大通りを右に曲がって立ち止まる。 「これがコンビニ。食品や日用雑貨が売ってるお店だ」 「なんだお店かぁ。それならそうと言ってよ」 二人並んで入店する。店員さんの「いらっしゃいませ。おはようございます」という心地いい挨拶が耳に届いた。 朝だというに人が多く、千里学園の生徒もちらほら目に入る。 「わぁ~。いろんなのがあるんだね」  店内を万遍無く見渡す女の子。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!