可哀想な姉

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 ――男は髭を生やさなければ、ほんとうの値打が現われないものであろうか?」  だが、その次にふと私は、頭の中に今頃は何処かの四辻に立って、草花を売っているに違いない、姉のしなびた醜い顔を思い浮かべて、またしても泪に暮れた。  ――可哀相な姉よ!
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