プロローグ

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教室にいたレオン以外の人が驚愕した。 「い、いいのか?さっき断ったのに・・・」 リンがよそよそしくサイカに言った。 「はい。やっぱり私がやります。誰も立候補しないみたいなので・・・」 それを聞いたリンはレオンの方をじっと見つめた。 「なんですか先生」 「い、いやレオンはなにも言わないのかと思ってな。」 「別に、自分からすすんでやろうとしてる人を止めたりはしませんよ。」 「そうか。」 『あーあと・・・』とレオンが話をつなげる。 「俺が副委員長やりますよ。」 「は!?」 リンは口を開けたまま、いやサイカを除いたクラス全員が口を開けたままだった。 「だから俺が副委員長をやるって言ってるんですよ。」 「いやでもお前、役員になるの嫌がってたじゃないか。」 「サイカ一人で仕事を抱え込んで、これからのことに支障がないように自分が副委員長をやるんですよ。」 リンはそれを聞いて『フッ・・・』と薄く笑い、『そうか・・・』と声を漏らすように言った。 「皆、この2人がウチのクラスの委員長と副委員長だ。拍手。」 クラスがパチパチパチと2人に向かって拍手をする。 「よしっ!じゃあ委員長が決まったこだし、ほかの役員を決めていこうと思う。じゃあ、次は・・・」 「ごめんね。」 リンの言葉を聞き流しながらサイカはレオンに謝った。 「別に謝らんでいい。俺が俺の為になったようなもんだ。だから気にするな。」 「うん。ありがとう。」 サイカは少し照れるように言うとレオンから目をそらしリンの話を聞くように前を向いた。 それに続くようにレオンも前を向く。 この後の役員決めはすんなりと決まっていった。 「よし、これで役員は全員決まったな。」 キーンコーンカーンコーン。 授業に終わりを告げる放送が流れた。 「よしちょうど終わったな。つぎはいよいよお待ちかねの召喚の儀だ。でも最初は教室で待機、いいな?待ちきれなくて勝手にどっかにいかないように。この召喚の儀でみんなの相棒が決まる。皆、良い巡り合わせにになるといいな。ってことで終わりとする。じゃあサイカ号令を頼む。」 『はい。』とサイカは返事をすると『起立、礼。』と号令を掛け授業を終えた。
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