プロローグ

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「ではみなさんがこの一年で更なる成長をすることを期待して私の話を終わらせていただきます。」 セラの話が終わり、セラが舞台から降りると始業式は終わったも同然だ。 始業式なんてものは校長の話が終わればあとは無いに等しい。 故に校長の話の後は5分で始業式の内容はなくなり、教頭の閉会のあいさつで始業式は終わった。 生徒たちは教室の帰っていく。 「レオン私たちも行こっか。」 「あぁ。」 サイカはレオンに近づくとそう行って2人で教室に向かった。 「ホームルームの後はいよいよだね。」 「あぁ。でもホームルームも結構時間かかるんだよな」 「まぁ、学級委員長とか決めないといけないし、時間はかかるよね。」 「学級委員長サイカがなれよ。そしたら早く終わるから。」 「な、何言ってるの?嫌に決まってるじゃん。」 「いや、それはわかってるけど、それでもなってくれないかなぁって思ってね。」 「なに期待してるのかしらないけど、嫌だからね。」 「まぁ無理強いはできないしな。わかったよ。」 「まぁ、もしかしたら委員長になりたい人がいて案外すぐ終わるかもよ。」 「そんな奴がいてくれたらいいんだけどな。」 「まぁ期待しないで待ってみようよ。」 「期待しない時点で望みは薄いよな。」 レオンは「はは」っと乾いた笑いをこぼした。 2人が教室に着いたときにはクラスの8割は席に座っていた。 席は決められていないのでみんな自由に座っている。 大体こういう場合は後ろの席から埋まっていくものだが、後ろの席はは結構空いていた。 決して最前列から座っていっているわけではないので、最前列は全部空いている。 みな最前列と最後列を避けているようだった。 「どこに座ろうか。」 サイカがレオンに問いかける。 これはできるだけ近いところに座ろうと示唆していると思ったレオンは隣が空いている席を探した。 まぁ最前列にいけば空いているのだが、やはり最前列は嫌らしく見もしなかった。 「あそこにしようか。」 レオンが指刺したのは、最後列の窓側の席とその隣。 そこが2つ分の席が空いていた。 「うん。わかった。」 レオンの意見に反対などせずその席に向かうサイカ。 サイカは窓側の席をレオンに譲るようにその一つ前の席に座った。 レオンは何も言わず、窓側の席に座った。
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