4人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでだよ?いいじゃねーか。委員長だぞ?このクラスで一番偉くなれるんだぞ?」
「委員長だからって別に偉くなるわけじゃないですよ。もし偉くなれたとしても委員長なんてやる気はありません。」
レオンは『はぁ』っとわざとリンに聞こえるようにため息をついた。
「私はな。お前を信頼してるんだぞ?お前ならできると信じてお前を推薦してるんだ。」
リンは真面目な顔でレオンにいう。
美人なだけに真面目な顔をするとその凛とした表情からは威圧感を感じた。
「・・・本音は?」
「なかなか決まらなくて面倒臭かったからよく知ってるレオンを指名した。」
レオンはさっきよりも深く大きいため息をつくと『本音ぶっちゃけすぎですよ。』と言うと窓から外を見続け、絶対に委員長はやらないと無言の拒否を示した。
「・・・やる気のないやつにさせるのはなんか気が引けるし、わかったレオン。委員長はしなくていいぞ。ただし条件がある。」
「・・・なんですか?」
レオンは顔を向けず返事だけ返した。
レオンはリンの表情は見なかったからわからなかっただろうが、他のクラス全員はリンが笑みを浮かべていたことに気づいていた。
「レオンお前が委員長は決めろ。」
「は?」
レオンは思わずリンに顔を向けるとそこにはドヤ顔したリンがいた。
「なに言ってるんですか?そんなの嫌ですよ。それにもし俺がわかったって言ったら必ずなにかしらの役職にはならないといけなくなるじゃないですか。」
「なんでだ?別に委員長になれって言ってるわけじゃないんだぞ?」
クラスの生徒達はレオンの言ってる意味がわからない様子だ。
Г一緒ですよ。誰かを決めた時点で俺から指名されて委員長になったのに、俺がなんの役職にもならないのはおかしいと批判の声が上がるでしょ?そしたら俺が断れなくなり、役職につくことになる。」
生徒達は「あぁ確かに。」と納得した様子だ。
「・・・そこをなんとか!!」
リンは合掌するように手を合わせた。
最初のコメントを投稿しよう!