新撰組隊士

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「ごめんなさい」 「あんた、見かけない顔だな。よそ者か?」 男の人が私に訊く。 そりゃあ見かけないでしょうとも。 だって私、タイムスリップしたみたいなんだから。本当かはまだ分からないけど。 「私、未来から来たかも……イタッ」 そう正直に言いかけたとき、男の人に思いっきり頬をつねられた。 めちゃくちゃ痛い…… 「お前は俺を馬鹿にしているのか?この土方歳三を馬鹿にするとは、いい度胸だな」 頬をすりすり擦る私に、男の人が信じられない言葉を口にする。 「ひひひ土方歳三ってあの土方歳三ぅ!?」 思ったより裏返った声が出た。 当たり前だよ、だだだって土方歳三って新撰組の副長だよ? 文久三年って言うのは冗談かと思っていたけど、信じるしかない。 一瞬土方さんが吹き出しそうになった。んだけど、すぐに厳しい表情になって私を問いただそうとする。
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