29人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんなさい」
「あんた、見かけない顔だな。よそ者か?」
男の人が私に訊く。
そりゃあ見かけないでしょうとも。
だって私、タイムスリップしたみたいなんだから。本当かはまだ分からないけど。
「私、未来から来たかも……イタッ」
そう正直に言いかけたとき、男の人に思いっきり頬をつねられた。
めちゃくちゃ痛い……
「お前は俺を馬鹿にしているのか?この土方歳三を馬鹿にするとは、いい度胸だな」
頬をすりすり擦る私に、男の人が信じられない言葉を口にする。
「ひひひ土方歳三ってあの土方歳三ぅ!?」
思ったより裏返った声が出た。
当たり前だよ、だだだって土方歳三って新撰組の副長だよ?
文久三年って言うのは冗談かと思っていたけど、信じるしかない。
一瞬土方さんが吹き出しそうになった。んだけど、すぐに厳しい表情になって私を問いただそうとする。
最初のコメントを投稿しよう!