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「茶化すな」
「茶化してませんよ」
「茶化してる」
「茶化してません」
「茶化してるだろ」
「茶化してませんって」
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と私と土方さんは幼児もびっくりの低級な言い合いをしていた。
「ひっじかたさ~ん、あっそびましょ……誰?」
そのとき、場違いなほどに明るい男性の声がした。
と同時にばたん、と障子が勢いよく開け放たれて、一人の男性が笑顔で部屋に入ってきた。
赤っぽい茶髪をしていて、髪の長さは肩までかな。この時代にしては短い方かもしれない。
「知らん。うちの中庭に倒れていた」
土方さんが男の人にぶっきらぼうに言う。
そうだったんだ……私、新撰組の屯所に気を失っていたんだ……
でも、いきなり人が部屋に落ちてきたら土方さんも困るよね。
「ふうん、ねぇ君。名前、なんて言うの?因みに僕は沖田総司、新撰組一番組組長さ」
少し得意気に沖田さんが言う。
「そう、ですか」
今回はあまり驚かなかった。
土方さんがいて、ここが本当に幕末なら、沖田さんがいてもおかしくはないからね。
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