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「私は春野空と言います。よろしくお願いします…」
私は沖田さんにコクンと頭を下げる。
「お前、俺には礼を失する癖に、総司には礼儀正しく振る舞うのだな」
それを見た土方さんが、めちゃくちゃ不満そうに愚痴る。
「まあ、男の人だし……」
「俺だって男だ」
私は冗談半分に言ったのに、土方さんは真面目に返す。
分かってるよ、そんなことくらい。少しくらい冗談に乗ってくれたっていいじゃん。
ノリ悪いな、土方さんは。
「あ、そうそう。平助たちが早く広間に来いってさ。新八さんと左之さんと一緒に騒いでうるさいんだから。早く来てくださいよ」
沖田さんが心底嫌そうに土方さんに訴える。
「あいつら……またやってやがんのか…」
なんかよく分かんないけど、日常茶飯事なのかな。土方さんは腹立たしげに舌打ちをした。
多分新八さんと平助さんと左之さんというのは、永倉新八さんと藤堂平助さん。それから原田左之助さんだろう。
前に図書館で借りた本に載っていた。皆幹部級の偉い方らしい。
「空ちゃんもおいでよ。いいですよね、土方さん」
沖田さんが私の手を握りながら土方さんに訊く。
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