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「よし、そうと決まれば行くかー」
おもむろに龍也は立ち上がりケータイをケツポケットにしまった。まさかと思い真顔で聞き返してしまった。
「どこに?」
「がっこ」
ニカッと笑った口元からは白い八重歯が見えてなんだかつられて笑ってしまった。今からかよーとか軽く文句を言ったが実際問題これから通う高校の下見すらしてないのはヤバい。
俺は行ったこと無いにしろ、龍也には今から行く高校に知り合いがいるらしく場所を知っているみたいだ。
案内役はお前に任せた。
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財布と携帯だけ持って龍也の家を出た俺達は一台のチャリに乗って駅まで行く。いつもこんな感じ。
生憎ここはど田舎だから警察なんてものはめったにお目にかかれない。いた方が運がいいと思うくらいだ。
「捕まってろよ?それじゃー、しゅっぱーつ」
気の抜けた明るい声でチャリを走らせた龍也の腰に腕を回し、道路の状態があまり芳しくない所を通るたび俺のけつは悲鳴をあげた。
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