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パコンパコン・・・
「純って歩く時パコパコ」
フジの言葉を
思い返して
音をたてずに歩いてみる
トテトテ
「ぶっは~!!苦しい」
足音に集中しすぎて
呼吸を忘れてた。
パコンパコンパコン・・・
いつも通り
靴を鳴らしながら
家へ向かった。
「あ~苦しかった」
―日曜日―
純は10時に起きた。
「ブェッキショイ!!!
ずびー!!風邪か?」
プルルル♪
プルルル~♪
「はいもしもズビッし
菊原ですズビー」
「・・・・苦笑。純か?」
「フジ?!こんな朝早くに
どうした?ズズッ」
「早くもないよ?
いや~池にさ!
魚離そうと思って!
でも純、風邪っポイし
止めとくわ!」
「行く!!大丈夫だから!!行く」
「おー。じゃぁ池ガチャ。
ツーツー。
早く行きたくて
電話を切った。
(なんで番号しってんだ?)
(―・・・まぁいいや!!)
急いで家を飛び出した。
15分のところ10分で
到着。
フジはまだ
来ていないらしく
風の音だけが
耳を通る。
なんだか拍子抜け
1人で池のギリギリまで
歩く。
池に映った純は
いつもより一層
髪がボサボサで
服も適当。
(こんなんじゃ
フジが振り向きく
訳ないじゃん)
眼鏡を外してみる。
何も見えない。
ぼんやりと
水面に映る純。
(眼鏡を外した私は
どんなんかな・・・?)
もう一度眼鏡をかけ
水面を見る。
なんて地味な・・・
純は自分の映る水面を
思い切り叩いた。
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