-Prologue-

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始まりは、ある小学校の裏山にある峠で子供が自分の名前を呼んだ事だった。 そこにはトンネルがあって、声が反響して帰ってくるのだ。 子供たちはそれを面白がって、名前を呼び返してくれる「呼び峠」と呼んでいた。 いつしか子供も大人も皆がその峠を「子呼び峠」と呼んでいた。 そして名もない峠が「子呼び峠」と呼ばれ始めたころ、子供たちの中でまことしやかにある噂が囁かれはじめた。 ―――――――――子呼び峠で名前を呼ぶと、その子は峠に喚び返される。 そして噂とともに誰かが言った。 『子呼び峠には何かがいる』
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