-Prologue-

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子供たちは好奇心に駆られ、噂を確かめる。 夜、「子呼び峠」で自分の名前を呼ぶ遊びが流行したのだ。 大人たちはそんな子供に夜に出掛けないように注意し、夜回りをした。 そして流行は終わり、誰もが「子呼び峠」を忘れたころだった。 ある暑い夏の日、一人の少年が言った。 「あのね?学校の裏の峠でね?誰かが僕の名前を呼ぶんだ。」 大人たちは心の中で思った。 (またか…。) このテの怪談話の流行がぶり返すのはさほど珍しいことではない。 気にする大人はいなかった。誰一人として。
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