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「いやあ、一件落着だねえコモン君」
そう言うとトーマ先輩はどっとソファに座った。彼女の髪はわずかに濡れている。
あの汚水まみれの身体で帰るわけにもいかないので、一旦兵舎で風呂に入ったのだ。というわけで仕事も終えたことで、かなりすっきりした気分なのだった。
捕えたルーシャスはその後現れた謎の男達に引き渡した。先輩の物言いからして、恐らく蛇足にまつわる機関か部署が更に上にあるのだろう。まだ教えてはくれなかった。
「さあて、ケーキっケーキっ」
と、先輩は出がけに置いて行ったケーキを手に取った。
「げっ、先輩それ食う気ですか?」
「悪い?」
「だって、それ出かける前のやつでしょう。大丈夫なんですか?」
「これはね、私の蛇足で止めてあったのだ。だから出かける前とは変わらない状
態を保っている」
そう言い放つと、彼女はケーキを頬張った。
「ほら変わらず旨い。ほら」
彼女は一切れ突き刺したフォークを僕に向けた。
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