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僕はフレミナ・ウラナっていう。ちょっと臆病で友達のいないぼっちな男の子だ。いつもパソコンの前にいるか本を読んだりするばっかりの変わった子供だ。僕ぐらいの男の子は外で毎日遊んでばっかりいるから、僕は友達が出来ない。学校には行ってるけど、まさに空気の様な存在だ。
それに僕にはある趣味がある。天体観測をすることだ。最近家の中にばかりいる僕に、お父さんが望遠鏡を買ってくれて、それから毎日夜に望遠鏡を持って外で天体観測をするようになった。僕はすっかり虜になっていた。月は勿論のこと土星や木星、それにさまざまな星を見ていた。今日はどんな星を見ようか、ワクワクしていた。
「さぁ、今日はどんな星があるのかなぁ?」
外に出てみると空いっぱいに星が流れていた。
「おじいちゃんおじいちゃん!!空からいっぱいお星さまが落ちてるよ!!あれなに?」
「おお、あれはサラス流星群じゃ。100年に一回しか来ないと聞いておる。もう見れる日はこんじゃろうからしっかり観察してくるんじゃぞ。」
僕は望遠鏡をしっかり握りしめいつもの丘へ駆け出していた。
この丘が一番この辺りで高く、天体観測をするには一番いい場所だ。
「ここに置いて、角度は、と。よし。」
僕は手慣れた手つきで望遠鏡をのぞきこんだ。空にはさまざまな光星が凄い勢いで行き交っていた。それは綺麗の一言では言い表せないほど美しかった。
(そういえば、流れ星って願い事を三回すれば何でも願いが叶うって言ってたよね。これだけ星が流れているんだから、きっと成功するよね。)
そして僕は望遠鏡から目を離して願い事をした。
(友達ができますように、友達ができますように、友達ができますように!!)
…当然叶うはずないよね。天体観測の続きをするかな。
それから30分間星は流れ続けて、ついに星は全部流れ終わった。
「終わっちゃった。もうちょっと見てたかったのにな。今日はこの位で帰ろうかな。」
キラッ
よく見るともう一つ凄く遅い速度で落ちてくる星がある。
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