流星の娘

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「…あの、一ついい?」 「なん…ですか?」 「その…友達になってくれない…かな?」 「とも…だち?」 「ああ、友達っていうのは………僕もよく分からないんだ。」 「わから…ない?」 「うん、僕友達を作ったことないんだ。その…いいかな?」 「いい…よ。」 「あ、ありがとう!」 「とも…だちって…どう…する…の?」 「ああ、なんか面白い事をするらしいけど…あ、そうだ。」 僕は望遠鏡を覗きこみ、ピントを合わせた。 「このレンズの中を見て。」 コメットはレンズの中を覗きこんだ。 「これ…なに?」 「これは土星だよ。周りに輪みたいに小さな岩がいっぱいあるんだ。で。」 僕はレンズを覗き、場所とピントを合わせた。 「これが木星。次は………」 僕は次々と星にピントを合わせてコメットに色んな星々を見せていった。 「すご…い。」 「どんな星もそれぞれの美しさがあるだろ。」 「うん。」 「僕が友達として出来るのはこの位しかなかったけど、満足出来た?」 「うん…できた。」 「よかった。」 「私は…友達として…出来ること…ないけど…これ。」 コメットは手の中にある宝石を差し出した。 「これを…僕に?」 「うん。」 「あ、ありがとう!絶対大事にする。」 「それを持ってる限り…今さっきの約束は…守られ続ける。」 「どういうこと?」 「私はもう…戻らなければ…ならなくなった。」 「そう…だよね。また、また会えるよね。」 「いつか…きっと…」 彼女は光となって消えていった。なんだか、夢みたいな出来事だったな。でも…この宝石は本物なんだよね。きっとまた会えるよね、コメット。 …本当にあの次の日から友達がいっぱい出来た。理由は分からないけど、みんなが僕をちゃんと見てくれるようになった。とても嬉しかった。コメットがいてくれればもっと嬉しかったんだけどね。 ………あれから5年がたった。僕はすっかり大人になった。
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