第一章 油路地の変…

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俺は咄嗟の事だったが、俺なりに頭の中で先生の言った言葉を理解しようとした…。 癌だからなんだと言うばかりだ…。 俺は先生に… 「…癌でも今は治る病気でしょ? 何もそんな大袈裟に言わなくても…」 俺が先生にそう言うと… 「…お兄さん。 残念ですが、弟さんの癌は末期に入っております。 そこまで進行していると今の医学では手におえません。 残念ですが…」 先生はそう言って俺にお辞儀をした後、他の先生達と一緒にその場から立ち去っていった…。 俺はしばらく呆然としていた…。 すると手術室からベットに寝させられた総次が出てきた…。 そしてそのまま総次は病室へと移動し、看護師さん達が総次を囲み、色々な機械を総次に取り付けていく…。 俺はこの時ようやく今の状況を把握した…。 だが、それと同時に総次が死ぬという事を素直に受け入れられなかった…。 坂本や長岡とは違う…。 昔から一緒にいる弟のような総次が死ぬという事を受け入れたくないと思っていたのだ…。  
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