第一章 油路地の変…

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俺は総次が寝ている病室の外にある廊下にあったベンチに腰をかけた…。 そして頭を抑え、考えこむ…。 総次は自分の病気の事を知っていたのだろうか…? もし、知っていたのならいつからなのだろうか…? 本当に総次は助からないのだろうか…? そんな事ばかりを繰り返すように俺は考えていて…あっという間に時間が過ぎていった…。 どれぐらいの時間が経過したのだろう…? 俺は病室に入り、総次の顔を見ていると、ちょうどその時に総次が目を覚ました…。 俺はすぐに総次にかけより… 「総次!大丈夫か?」 と声をかけた。 総次は人口マスクのようなモノをしていたが、小さい声で… 「ひ…土方さん…。 この事はどうか誰にも言わないで…下さい。 今、『殺蝶』の事もあるし…局長や皆に心配かけたくないんです…。 どうか…お願いします。」 総次は自分の状態が悪いにも関わらず『新撰組』…チームの事を考えている。 この総次の言葉で俺は分かった…。 総次は前々から自分の病気を知っていたと…。 俺は総次の手をとり… 「ああ…。 分かった。 この事は誰にも言わないで黙っておいてやる。 だからお前は何も気にしないで今はゆっくりと休め…。」 と俺は言った…。 俺は局長だけでも話さなくてはと正直廊下にいた時は考えていた…。 だが今の総次を見て、この事は誰にも話さないでおこうと考えた…。 それは総次の為でもチームの為でもない…。 今の総次の状況を考えた時に自分だったらと考えた結果だ…。 もう総次は助からない…。 なら少しでも長生きできるように俺が力になってやろう…。 そして総次には悔いのないように生きてほしいと考えた結果だ…。 俺はこの時やっと現実を受け入れそして覚悟を決めたんだ…。  
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