崩壊

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…俺はただその場に立ち尽くす事しか出来なかった 「殺るしかない」 他の男が言う 「ーーー」 俺は声が出なかった、 辺りには血が飛び散る、状況が理解出来ず俺はその場から走って逃げた… 「何なんだよあれは…」 工事現場に隠れた俺は言った ここに来るまで何人もの死体を見た 「夢なら覚めてくれよ…」 俺は願う様に言った 時刻は4時30分日が沈む前に人を殺さないと自分が死ぬ… 尖は一瞬で人が死ぬ瞬間を見てしまった 「どうすればいい…」 誰に聞く訳でもなく言った 「俺に殺されてくれ…」 その声の聞こえた方へ顔を向けると男が鉄パイプを持って立っていた、 気付いた時には男の持っていた鉄パイプは俺の顔の前に迫っていた 「っ!」 何とか顔は腕で守り俺は走って逃げた 「クソッ…待て!」 俺はとにかく走る、 男は俺の後ろを走っている 腕に激痛がはしり俺は地面に倒れこむ形で転ぶ 「やっと止まった」 男は安心した様な笑顔で言った 「これで俺は生き残る!」 男が鉄パイプを振りかぶる その時俺の手に何かが触れた 「うああっ!」 俺の手に触れた地面に落ちてた鉄パイプで思い切り男の頭を振り抜いた バコッ! っと聞いた事のない音と共に男が力なく倒れこむ 「あ…ああ」 俺は人を殺してしまった? 「チクショウ…」 ボソリとつぶやく、 そして俺の頭の中に姉ちゃんの顔が浮かぶ、 「姉ちゃん…」 俺は男の死体をどかして立ち上がった。
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