おばぁちゃん

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おばぁちゃん

おばぁちゃん。 『なぁに?』 好きな子がいるの。 『あらまぁ、どんな子?』 うーん、野球が得意でね、勉強もできるの。 『へぇ、何でもできるんだねぇ』 うん。おばぁちゃんもおじぃちゃんのこと好きなの? 『あはは、どうだろうねぇ』 おじぃちゃんはどうしていつもおばぁちゃんのこと叩いたり蹴ったりするの? 『おばぁちゃんのことがあんまり好きじゃないのかもしれないねぇ』 じゃあ、好きじゃないのに結婚したの? 『昔は好きだったと思うんだけどねぇ。』 『あのね、』 なぁに? 『世の中には、時間が経つと変わってしまう人もいるんだよ。』 変わっちゃうの?なんで? 『なんでかなぁ。最初だけ、猫を被ってるからかもしれないね。』 いい子に見られたいから? 『そうだよ。世の中には、そういう人がいっぱいいるの。だから、あんたが大きくなって結婚する時になったら、ちゃーんと内面を見るんだよ?』 でも、あたしよく分かんない。 どうやったら分かるの? 『そうだねぇ。じゃぁ、おばぁちゃんが見極めてあげよう!』 ホントに? 『うん、恋人ができたら、連れてきなさい。ちゃーんと見てあげるよ。』 分かった!じゃあ、あたしが大人になって、結婚式するまで長生きしてね? 『よーし、うんと長生きしなくっちゃ!』  指切りしよう? 『ゆーびきーりげんまん…』 約束ね? 約束ね……
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