おばぁちゃん

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おばぁちゃん。 『なぁに?』 お母さんはあたしのこと嫌いなのかな? 『そんなことないよ。大好きだから意地悪したくなるんだよ。』 だって、嫌いって言ってたもん!ノロマで、馬鹿だから嫌いって言ってたもん! 『……。』 どうしておばぁちゃんはおじぃちゃんと結婚したの? おばぁちゃんが結婚しなかったら、あたしなんか生まれなかったのに! 『…ごめんね。』 どうして!なんであたしはお母さんのこどもなの!? 『…ごめんね。ごめんね。泣かないで。』 『おばぁちゃんはあんたが大好きだよ。あんたが生まれなかったら、おばぁちゃんは生きててもなーんにも幸せなんてなかったよ。』 ほんと? 『うん。きっと、おばぁちゃんがあんたのことを好きすぎて、お母さんの好きの気持ちまでとっちゃったんだね。』 『何があっても、おばぁちゃんはあんたが産まれてくれて、ここにいる。それだけが1番の宝物なんだよ。』 おばぁちゃんあたしのどこが好きなの? 『素直で、かわいいところ。それに誰よりも優しい心を持ってるのも知ってるよ。』 あたしも、おばぁちゃんのこと大好きだよ。 『まぁ、ありがとう。そうだ。いいもの見せてあげよう。』 いいもの? 『これはね、おばぁちゃんが1番大切にしてる指輪なの。』 キラキラしてる。キレイだね? 『これを着けてると、いいことが起こるの。だから、お守り。』 へぇ、すごいね!ダイアモンドがついてる! 『あんたが大きくなったらつけなさい。今はまだちょっとサイズが合わないからね。』 くれるの?もったいないよ! 『あんたになら、なんだってあげたいの。大きくなったら、これつけて、いいことがありますようにってお願いしてごらん。』 分かった! じゃあ早く大きくなる! 早く、大きく……
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