18人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日。11時にチエミと例の喫茶店で合わせた。
店の前で待っていると、通りの向こうからチエミが見えた。
一昨日前に会ったときより、どこか顔色が良い。
スーツをきちっと着込み、クマも隠し、表情すら明るく見える。
チエミの本来の姿を少しだけ、垣間見れた気がする。
今日のことが彼女の今後に繋がればいいと、心から願う。
店内でコーヒーを啜っていた俺を見つけると、走ってやってきた。
「こんにちは…っ、ゴメンなさい、お待たせしましたか?」
首をふり、着席するように促した。
相変わらず、店にはジャズが流れ、やはり他に客はいない。
チエミは席につくなり、緊張からか表情が怖ばっていた。
最初のコメントを投稿しよう!