変な女

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ガタン…ガタン…  夕方の車内。  俺は車両切り替えの近くに座り、手すりに頭をもたげていた。  車内にはデパート帰りの主婦や、部活帰りで疲れているのかぐったりと背もたれて眠る学生がいるだけだ。  ――しばらくすると、手前の車両ドアが開き、若い女性が入って来た。  妙な女で、チラリと俺を見やり、そのまま車両を通過した。  と、思ったら、引き返してくるなり、この空席を後目に、わざわざ俺の横に座り 「わたしの話を、聞いていただけませんか」 と呟くように言った。
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