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「さて…どうしたものかな」
俺は総合病院の前にいた。ここで石川氏は床に伏せっているらしい。
あのあと、俺はチエミから、スグルの入院先と聞き勤めていた会社の様子をある程度聞き、彼女をそのまま帰した。
よし……下手をしなければ、エミとスグルは一年を経て、ようやく再会出来るはず。
ナースステーションで部屋を聞き、病室を訪ねた。
部屋の扉は開かれている、俺は静かに一歩、病室へ踏み入った。
木漏れ日が、優しい日差しが白い壁を影を交えて室内を照らしていた。
その穏やかな空間に、聞いていた年齢より少し老けた女と、女に笑顔を向ける痩せこけた男がベッドに横たわっていた。
窓が少し空いており、緩やかに空間をなぜた。
俺に気づいた、奥さんが振り返る。
「どなた…?」
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