すすぐ、宝とウォルフに出会う

2/3
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/288ページ
何時ものように、授業が終わり、帰ろうとした僕の耳に鈴の音が入ってきた。 辺りを見渡しても、姿は何処にも無かった。 気のせいかと思った次に、また鈴の音が聞こえた。 「これは、上から?」 上を見上げて、見渡すと木の枝に中学生くらいの男の子が座って下を見ていた。 「もしかして」 降りられないのかと思って僕はその子に近付いた。 僕は母が雪女の雪の精だから空は飛べる。飛べると言うより宙に浮けるのが正しい。 「どうしたんですか?」 「ん?わっ!?おにーちゃんそらとべるの?」 「宙に浮いているんですよ。それよりもきみは、どうして木の上に居るんですか?」 「かくれんぼ!」 「かくれんぼ?ってことは降りられるのですか?」 「おりられるよ!だってボクどあきゅあひんちだもん!」 「どあ?それはどういう種族なのですか?」 「んとね」 「宝!」 「え?」 木の下から声が聞こえ下を見ると狼が居た。 「みつかっちゃった」 「え?狼と知り合いなのですか?」 僕は驚いた。 種族を超えた出会いがあるなんて、と。 .
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!