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中学生くらいの男の子は木の枝に座っていて、僕は宙に浮いた状態。
そして、木の下には狼の姿。
「狼とはどういう関係なのですか?」
「おるふ?ボクのおかーさん!」
「お母さん?」
「おい!そこの!宝から離れろ!噛み殺すぞ!」
「えっと、穏やかじゃなさそうですよ?」
「?」
敵意剥き出しの狼に僕は噛み殺されてしまうのかと、振るえた。
「宝!降りて帰るぞ」
「えー、まだかくれんぼしたい!おにーちゃんもいれてかくれんぼしよーよ!」
「だめだ!そいつは雪の化身だ!宝には危険だ!」
「?おにーちゃんきけんなの?」
「え、僕が傍に居て影響を受ける存在なんて稀ですよ。僕は熱さに弱いですが」
「宝!とにかく、そいつから離れるんだ!」
「ホウくん?彼の言う通りにしてあげてください」
僕が怒られてしまいますし。
「おにーちゃん、なまえは?」
「僕は、雪野すすぐです。種族は雪の精です」
「ボクほう!たからものっていみだよ!」
「いい名前ですね」
「うん!」
「宝!」
「またねすすぐおにーちゃん!」
笑顔で手を振る宝くん。
しかし、狼は僕を確実に敵だと認識したに違いない。
今日は、楽しかった。
end
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