#01

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物置の入り口は頑丈な鉄の扉で両開きになっている、その扉が開ける限界まで開いている。 明かりが付いていたから入り口からでも中がよく見えるのだけれど… (居ない…?) 箪笥や古い障子以外は壺や本といった高さが余りないものばかり、忠信さんらしき影もない。 「んー…ん?」 足元に目をやると足跡が残っていた。 よく見ると、埃を踏み、付いた足跡が二人分続いている。大きさから見て、忠信さんのと叶恵ちゃんのだ。 「血っ…忠信さん!いるんですか!!」 足跡を辿ると、まるで道しるべのように何かで擦れた血の跡が途切れ途切れに並び、ある箪笥の前で大きな赤い水溜まりが出来ている。 僕は急いで箪笥の戸を開けようとしたけど、開かない。中で何かが引っ掛かってるようだ。 「くそっ!」 (早く開けないと!) 怪我をしているのか、内蔵に病気でも持っているのか…、ただただ目の前の光景に最悪の場合しか考えられない自分に若干の嫌悪を覚えながら必死になった。 早く早く早く早く早く早く早くハヤクハヤク早くはやく はやく早くハヤクハヤクハヤクハヤクはやくはやくはやくはやく、早く!!
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