第1話:平凡高校生、マネージャーになる

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宗二郎は安心したのか嬉しそうに頷いた。 そして… さわさわ 「おいテメェしばくぞ」 「へへっ、良いじゃんちょっとだ け」 椅子の隙間からケツを触る宗二郎の手を力強く握ったのであった。 あの安心した雰囲気を返せやコラ。 入学式が終わり、廊下を歩きながら宗二郎に理事長の話を教えた。 「えぇっ!?REINのマネ…ぐふっ」 「声がでけぇよバカッ!!」 宗二郎の腹を殴る。 もしREINのマネージャーになった とか全校生徒に知れ渡ったら「なんでこんな平凡な一般人が?」とか言われてネチネチいつも以上に言われるんだ。 ……嫌だ、芸能界の裏側なんかこ れっぽっちも興味はない!! 内緒にしなきゃなんないのにコイツは… 腹を押さえながら涙目の宗二郎を冷めた目で見る。 幸いなんか騒いでる程度に思われ立ち止まる人は居ない。 「ごっ、ごめん…それでまさかOKしちゃったの?」 「……奨学金を人質(?)にされたら頷くしかないだろ」 「複雑だな、暁の家は」 「…まぁな」 親が多忙だからか、あんまり頼りたくないんだ。 …だから必死に勉強して奨学金を獲 得できた。 それを考えるとマネージャーなんてお安いご用だ。 …問題は別にある。 「メンバーの説得どうしよう…俺嫌 われてるみたいだし」 「暁なんかしたの?」 「する訳ねーだろっ!!ただ挨拶しただけなのにボロクソ言われて」 「…あー、それはご苦労様」 他人事の宗二郎をほっといて早足で歩く。 後ろから慌てて宗二郎がやって来 る。 すると、目の前に誰かが来た。 「こんにちは、マネージャーさん」 「橘先輩?」 「詩紋でいいよ、マネージャーなんだから…」 なんと目の前に居たのは数時間前に会ったREINの癒し系の橘詩紋先輩だった。 …そういえばこの人だけ俺をフォ ローしてくれたっけ。 笑顔が太陽に反射して眩しいっ!! 「どうしたんですか?」 「うん、一応スケジュール教えとこうと思って」
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