第1話:平凡高校生、マネージャーになる

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それは一年前に起きた出来事。 桜が綺麗な春の季節。 高校生になる生徒達が新しい制服に身を包みワクワクしながら高校デビューをする。 ……約一名を除き。 「…はぁ、行きたくない」 大きな一見お城かと思う学校…ってか学院に佇む目立たない普通の少年…まぁ俺なんだけど… 横を見ると渋谷や新宿らへんで見た事があるポスターに写ってた人物。 反対の方向には最近ブレイクしたタレント。 前には、最近ヒットしたドラマを何本もこなす俳優と女優。 そんで後ろは… 「退けよ平凡」 「うぉっ!!」 いきなり後ろに居たから驚いてすぐに退く(ちょっと転けた) 今や知らない者なんて赤ん坊しかいない大人気アイドルグループREIN-レイン-。 そう、この学院は芸能人しか通わない(はずの)芸能学院だった。 まぁ俺の家も一応芸能一家だ(俺を除き) 親父は伝説のバンドのリーダーで母さんはそのボーカルの歌姫(母さんだけは今も現役でハリウッドなんかで活躍中) 兄貴はハリウッド俳優というとんでも一家で育った平凡な俺。 ちなみに俺は一般人。 …なんでそんな俺が芸能学院に入学出来たかというと… うっかりバカ親父のせいだ。 俺は第一も第二も第三も志望は一般学校だった。 なのに知り合いが理事長をしてるという理由だけで推薦入学させられ、おまけに奨学金も獲得した。 親父は気持ち悪い程に親バカだから知り合いの居る場所じゃないと毎日保護者参観に来ると言うので、死んでも止めてほしい俺はしぶしぶ頷いた。 そして入学日に初めて全寮制だと聞かされた俺の気持ちをどう思う? …絶望した。 この芸能学院は小・中・高・大学院まである。 俺は高校からの外部生。 この学院は一般人とか外部生が珍しいのか、入学初日はかなり注目されていたが多忙な生徒ばかりなのですぐに俺は空気となった。 そして俺は一年間耐え抜いた。 一般人を嫌う天狗状態の芸能人達にねちねち言われるし(お前らは小姑か!!)寮の同室者にはセクハラされるわで(でも友達)大変だった。 そして2年の桜の季節がやって来た。 同級生達は2年に上がり新入生達を楽しみにしていた(新入生って言っても中等部からの持ち上がり組だろうが) ……俺は何故かまだ一年生だったりする。 まさかの留年かと思ったが今日理事長から話があるらしく、他の生徒より早く行き説明を受ける予定だったりする。 目覚まし時計をセットしたが、俺は起きられないタイプだ。
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