プロローグ

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何故『魔族』の恩恵で『補助系』は駄目なのか……それは恩恵の効果にある。 魔族の恩恵を受けていれば、常人では考える事の出来ない生命力が備わる。その他にも、魔術は魔法と違い魔方陣を使用しない。何故『魔方陣』を使わないのかと言うなれば、魔術は結果をもたらす『術』さえ知っていればほとんどの者が使えるからである。 例を上げるなら『火』を起こそうとすれば何が必要か……それは『火種』と『燃料』と考えよう。『燃料』は魔力で『火種』が摩擦熱と考えれば、指を擦る時の摩擦熱でも火を起こす事も出来る。 まぁ、簡単に言うと魔法は『陣』を想像し、魔術は『現象』を想像すれば、『魔』を使う事が出来る。 話がズレてしまったが、大抵の補助系はこの魔方陣を使用される。だからなのか補助系を使う鳳矢は魔族側からしたら汚点だと思われているのかも知れない。 鷹「でも、お前は魔方陣使わずに魔を使うように出来たもんな」 鷹伯は鳳矢に対して屈託のない笑顔を向ける。 鳳「うるせーよ。もうすぐ店始めんだ。用がすんだなら帰れよ」 鷹「えぇ~……まっ、今日はこんくらいにして帰るか…」 鷹伯は店の扉に向かって歩き出し、扉を開けた所で一度鳳矢に振り向き言った。 鷹「彼女にお前の事……言わなくて良いのか?毎日、化粧して左手の紋様、隠すの大変だろ?」 そこで鳳矢の動作が一瞬止まる。 鳳「……良いんだよ…それに、化粧にも慣れた」 左手の紋様とは、『神族』や『魔族』の恩恵を授かった者の左手の甲に『神族』か『魔族』を現す紋様が印される。
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